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From: Akitaka HOSOMI <hosomi@ga2.so-net.ne.jp>
Subject: Re: プログラマの悩み
Date: 1998/10/09 03:33:07
Reference: junge/00176

全然、関係はないのだけれど、ちょいと Web で見かけた情報。

INTERNET FRONTIER : SILICON VALLEY REPORT

サンマイクロシステムズの提唱している Java に基づく技術 Jini 。ネットワークなどを
介して、いろいろな周辺機器と簡単に接続できるようになれば、結構、楽しい。





さて、本題。


前にも書いたが、これら↓は、本来、それぞれが独立した別の仕事なのさ。



  1. システム全般を把握しており、客先の要望に対して、具体的な仕様をまとめ、
     無理のない自然なシステムを設計できる

  2. プログラムを書く技術を持ってて、実際に、その仕様にそったものを書ける

  3. 現場の仕事を担当して、システムの設置、調整、保守の技術を持っている




 1. は、システムデザイン

従来は、SE ( システムエンジニア )と呼ばれる連中の仕事だったが、今では、SE 
という言葉自体、死語に近いらしい。仕事の中身は、要するに、技術営業みたいな
感じだ。ネットワーク関連などでは、呼び名を変え、まだ、このような仕事を専門
に行う連中もいたりする。

容易に想像がつくと思うが、プロジェクト全体の出来を左右する重要な仕事であり、
パソコンおやじのレベルでは絶対にこなすことが不可能な、極めて難しい仕事だ。



 2. は、プログラミング

通常、プログラマとは、この部分を担当する者を指す言葉だ。タバコの吸殻で、て
んこもりになった灰皿とか、冷めたコーヒーとでっかいマグカップ、机の上に散ら
かったチョコバーの空き袋、家へ帰るのが面倒になって、そこら辺りのソファーで
ごろ寝したりもするので、朝、出勤したお姉さんに怒られたりする。生身の人間で
ありながら、CPU と対話が可能という、特殊な技術を持つ貴重な連中ということだ。

現在でも、技術と言うよりは、まだまだ、本人の素質に負う部分が多いと思う。

# つまり、教えて、どうなるようなモノではない、ってことだ。自分で磨け。



 3. は、主にメンテナンス

要するに、サービスマンだと思えばいい。ハードウェアの不具合、ソフトのバグ、
これらを見分けるシステム周りの正確な知識と、確かな判断力が要求される仕事。
現場で起こってることは、大体、その場で何でもこなしてしまうぐらいの器用な
連中だったりする。

コンピュータが絡むと、なかなかいないんだよね、これが出来るヒトって。





さて、受注したソフトウェアや、それを動かすためのシステムを設計・製造し、客
先へ納入して、生計を立てているような会社では、上記の 1. 2. 3. といった仕事
は、必要不可欠な代物だ。そのため、通常は、独立した、それ専門の部署を設けた
りもするね。取り扱う仕事の内容が異なっているので、その方が、自然だからだ。


ところで、だれもがうらやむ一流企業ならいざ知らず、お金の取れるプログラムな
ど組んだこともなければ、全く使ったこともない、脳天気な中小企業経営者が、こ
れが時流かも知れない、と考えて、ソフトウェア作成やシステムを扱う会社を作っ
た場合には、どうなるだろうね?



    なんだか、よく判らないけど、プログラマのみ、かき集め、一応、会社にする。

    このわしが、社員に飯を食わせてやっている、と本人は信じ込んでいるのだが、
    PC に関連した知識は、極めてあやふやなモノなので、結局、誰も手をつけない
    誰が見てもワケの判らない無理な仕事ばかりを取ってきてしまう。

    受注ソフトやシステムは、その本質がプログラムでありながら、大量生産( リ
    ピート )は、殆ど、きかない。そのため、仕事をする度に、無理な仕様に基づく
    無謀な計画が足を引っ張り始める。

    器用なプログラマだと、上記の 1. 2. 3. はそれなりにこなす。しかしながら、
    最初は、それで良くても、もともと無理をしていることには、変わりがなく、
    次第に、疲れ果てた連中も増えてくる。

    プログラマがメンテナンスやシステムの納入など、手のかかる現場仕事を担当
    させられているので、出張で席空きの時間が多くなり、新規の仕事はこなせな
    くなる( ソフトのリピートはないけれど、メンテナンスやクレームのリピート
    で、走りまわされることが多くなる。そのため、システム設計やプログラミン
    グに使える時間は、失くなってくるのさ )。

    このままでは、飯の食いあげになってしまうので、新しく人員を補充する。こ
    れがまた、プログラマだったりするのだね。つまり、それだけ、1. や 3. を
    確実こなせる人間は、少ないということだし、中小企業には、就職したがらな
    い、ってことでもある。

    人数が増えた分、給料を払わなくてはいけないので、さらにワケの判らない仕
    事を取ってくるようになる。

    会社運営の名のもとに、社員の主張は却下されることが多くなり、文句ばかり
    抱え込んだ状態で、仕事をこなさなければいけなくなる。



どこかで止めないと、君らの悩みは、際限なく続いたりするね。



# 上の仕事の流れ( フロー )を、君らが期待した通りの結果となるように、修正して
# ごらん。プログラマなら、簡単にできる筈だ。