新規記事投稿
フォロー記事投稿
記事のキャンセル
From: Akitaka HOSOMI
<hosomi@ga2.so-net.ne.jp>
Subject: Re: デジタルフィルタ( IIR 篇 .... 周波数特性 2 )
Date: 1998/10/01 05:07:02
Reference: junge/00166
この IIR フィルタの名前の由来は、インパルス応答が無限に続くところから来ている。
BRF( 帯域阻止フィルタ )を例にとって、実際にインパルス応答を見てみることにしよう。
バターワ−ス型 BRF のインパルス応答
※ 下側の波形だ
チェビシェフ型 BRF のインパルス応答
逆チェビシェフ型 BPF のインパルス応答
FIR フィルタと違って、応答が 256 サンプリングを超えても、まだ、続きそうだね。
FIR フィルタの場合のインパルス応答は、応答をワザと遅らせ、そのぶん、インパルス
応答に対称性を持たせてたりもするが、IIR フィルタには、それが無い。FIR フィルタが
持っている偶対称のインパルス応答の右半分だと考えれば、良いだろう。
次は、位相だ。FIR フィルタの場合は、以前に見たように、位相特性がキレイな直線と
なる。しかしながら、IIR フィルタの場合には、これが、なめらかな曲線となってしま
うため、出力波形には、位相歪が発生する。
出力波形については、後で確認することにして、位相特性が直線では変化しないことを
見てみる。この位相特性は、伝達関数から求めたもので、単位は、ラジアンで、アンラ
ップして表示してある。
バターワ−ス型 BRF の位相特性
チェビシェフ型 BRF の位相特性
逆チェビシェフ型 BPF の位相特性
なかなか、味わいのあるカーブだったりもするが、この位相特性と振幅特性とを合わせて
表示した図は、Bode 線図 などと呼ばれている。
# 位相特性は、-180 〜 +180 にラッピングされてたりもするね。
位相特性を微分したものは、群遅延特性と呼ばれ、各周波数成分ごとの信号の遅延時間と
考えてよい。下の図の縦軸単位は、信号遅れをサンプリング数で表したものだ。
バターワ−ス型 BRF の群遅延特性
チェビシェフ型 BRF の群遅延特性
逆チェビシェフ型 BPF の群遅延特性
ピーク時には、かなり遅れたりもするが、それを除けば、遅延時間自体は、FIR フィルタ
と大した違いがないように思える。ただし、さっき書いた位相歪ってのが、結構、曲者だ
ったりするんだね。