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From: 竹田伸幸
<takeda@ses.co.jp>
Subject: Re: Local IX 構想、なんてね
Date: 1998/11/09 03:43:48
Reference: internet/00126
#地域IXの稼動が目の前に迫っているので、ちょっと敏感
#正確には、IXじゃなく、IXも含むGiGaPOPですが。
11月9日に、Akitaka HOSOMIさんは書きました。
>でまぁ、そういう困った状態に、少しでも対処できるかも知れない方法として、
>
> Local IX ( Local Internet eXchange )
>
>ってなモノがある。
話題としては、2年ほど前に出てきた結構古い話ですね。:)
># 長野の富士通系 InfoValley で、提唱されていたりもする。
># 本来は、密集地のトラフィック低減で考え出されたモノのようだけど、それを逆手に
># とって、地域の通信インフラのために使おうってことらしい。
最近は、あちこちの数年間の準備期間を経てようやく立ち上がり
つつあります。
でも、技術的な面、運用面の問題でこけているところも結構あります。
>イメージとしては、中央が持ってる IX の機能を地方単位で行なうという感じ。
>
>地域プロバイダ同士で、IX を構成し、不要なパケットを、いちいち中央まで送らない
>というモノだね。
ちょっと違います。
>通信速度も次第に上がってくるのだろうし、利用者も、まだまだ増えるだろうし、
>トラフィックなんか、これから増えはしても、減りはしないだろうさ。
>
>回線増強に頭を痛めてる状況なら、少しは助かるんじゃないのかな。
それがですねぇ〜地域IXって、うまくやらないとぼろぼろになるんですよ。
>経路選択が地域内で可能になると、ひょっとすると、四国から外へも出やすくなるかも
>知れないね。経路障害にも強くなるだろうし。
経路交換をするのに必要なメモリとか回線帯域とか結構なリソース
食うんです。
また、自前でCIDRもっているなら楽なんですがそうでない場合、
クラスC未満の経路がいっぱい出てくるんで楽しいことになってしまい
ます。
エリア内を流さないローカルトラフィックのみの閉じた通信の経路交換
をするにしても楽しいBGP4での経路制御をしないといけない。
ちなみに全世界の経路のフルルーティングする場合、ルータのメモリは
64Mbyteでは足りません。128Mbyteは必要です。
フルルーティングしないとしても経路増えちゃうと結構大変だし、OCN
のような全国サービスのプロバイダローカルIXのことを考えてアドレス
割り当てしてくれない。
それより問題なのがIXに繋ぎこんだとして、ピアリングをどうするかって
いう問題があります。全ローカル経路を交換するというのが簡単ですが
けっこうISP間のバランスが調整取り難い。
うちの会社には、なぜか24芯ファイバなんかが来ていて、使っていな
い線が大量にある(使っているのは1ペアのみだな)ので場所を提供して
面倒見れないことはない。
>地域内の最短距離(?)で、繋がっちまうので、当然、地域ネットワークなんかも、構築
>しやすくなるんじゃないかな?
経路制御しくじると全世界レベルでインターネットが停止するという楽しい
状況も起こせなくないんです。内部に閉じるようにしていれば防げるでしょ
うが、それでも内部でおかしくなったときがちょっと大変
特にISP間で親子関係になっている組織同士が経路交換して、
行きと帰りで経路が違ってたりすると悲惨なことが。。。
県内地方ISP間のトラフィックの交換が限界、STCNなんかだと
まだ、なんとかなるかもしれないが、OCNなんかだと調整は無理
なので、OCNサイトは捨てないといけない。
一つの可能性としてマルチフィードってのもありかもしれません。
マルチフィード組織から割り当てられたIP空間にサーバを設置し、
それは、マルチフィード組織の持つ上流ISPを通して経路を流す。
各ISPの上位ISPから割り当てられた空間の経路は、従来どおり
上位ISPに流す。
マルチフィード組織は各プロバイダの経路はローカルな経路として
交換を行い外に流さない。
こんな感じかなぁ(等幅フォントでないと崩れます)
↑ ↑
RT RT (multi-home BGP4 Full Routing)
| |
--------------------- Multi-Home + IX
| |
RT RT
ISP-A親 ↓ ↓ ISP-B親
: :
↑ ↑ ↑ ↑
RT RT RT RT
| || || |
------------ ------- ------- ------------
ISP-A Multi-Home+IX ISP-B
を通して交換される
セグメント
こうすれば、比較的安全なんです。サーバを自セグメントに置かない
で他のISP経由でアクセスされるという点でサーバホスティングに近い。
(つまり自セグメントから親ISPに流れるトラフィックも押さえられる。
もちろん、繋ぎ込んでいるISP間に限らないといううれしいメリット)
で、ローカルな経路で結んでいるので、マルチフィード的な使い方
(たとえば、ISP-Aの人がISP-Bのサーバをローカルにアクセスできる)
もできてしまう。)
ただ、こういうのをやると何でもとおしたいという要望が出るので、
プロバイダではないという違いから通すプロトコルを決めるのが
重要でしょう。極端な例では、HTTPしか通さないとか。