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From: Akitaka HOSOMI <hosomi@ga2.so-net.ne.jp>
Subject: Re: ソフトウェア・ユニオン( 類の巻 )
Date: 1998/12/16 00:18:12
Reference: ehimevision/00014

ソフトウェアを書く仕事なんかを長年やってると、自分で書いたプログラムが
世間でそこそこ売れて、それで生活できればイイだろなぁ、などと思うことは
あるさ。



プログラマなんてのは、一応、ソフトウェア従事者ということで、時代の花形
と呼ばれる情報産業の中へ大雑把に分類されていたりもするが、実は一次産業
に極めて近い、ワリと地道な作業に従事している連中のように思える。


コンピュータのような電子部品のかたまりと、毎日ツラを付き合わせていても、
ソフトウェア書きという作業は、ひじょうに骨の折れる旧態依然の手作業と何
んら変わるところがなく、オートメーション化による安直な創作活動などは、
この時代になっても、夢のまた夢といったところ。

さらに、自分で書いたプログラムを市場に出して売るということは、時期や天
候を判断し、自分で種をまいて育てた物を、市場に出して売る、ということに
他ならないので、一般的な農家がやってる仕事と、よく似ているのさ。

ほぼ、フリーランスで行なうという形態も、一緒みたいなものだろう?



愛媛のみかん農家の例でも、よく知られているように、自分たちで育てた物を
売るという点に関して、農家( まぁ、SOHO の先達って意味だ )は、なかなか
に合理的な方法を考案し、実践している。

いわゆる、みかんの選果場だ。これは、文字通り、持ち寄った農作物の選別作
業を行なうというのも、確かに一つの重要な仕事には違いないのだが、全体と
しては、地域の生産物をそこへ集積し、その品質を評価後、市場へ出荷( さら
には流通経路の開拓までも行なったりする )、そこで生まれた利益は、生産者
が持ち寄った農作物の品質に応じて、もとの生産者へ分配するという仕事を行
なっている。


物を作った後の、面倒な作業を、ほぼ、全面的にサポートして貰えるので、生
産者( 農家 )は、品質の良い物作りという本来の仕事に専念することができる。
また、生産者からは、選果場自体が市場と直結していると見なせるので、市場
の動向や、生産物に関連する情報なども収集し易いという側面も持っている。



今後、愛媛でも、 SOHO などを使って、自前でソフトウェア作りに取り組む者
が増えると予測されるなら、このような地域サポート体制を、早めに作り上げ
ておく必要があるのではないかな?

ソフトウェアの場合にも、必要とされる形態は、ほぼ同じなので、先人に学ぶ
ところは多いだろうさ。顔を上げて先を見ようとするなら、まず、足場を固め
ることだろね。