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From: 白石 健治 <siraisi@cavin.co.jp>
Subject: かんぽくん物語2000
Date: 2000/01/18 17:30:42

あけましておめでとうございます。

  かんぽくんの歴史も昨年(1999年)は、なかなか時間と状況が許さず、書ききれずにた
だただ時間が過ぎてまいりました。

  さて、1990年代の日本は、バブル崩壊から始まる景気低迷や平成5年頃からの幾つか
の大地震やサリンなどの大きな災害や事件も多くあり、世紀末現象と呼ばれる事も手伝
ってでしょうか、社会全体が暗い暗雲に覆われた閉塞した空気を感じます。そのような
風潮の中で男女や大人、青少年を問わず残忍な虐殺事件や陰湿な或いは凶悪な犯罪が多
発し殺伐とした空気が漂います。

  現在のこの状況は、戦後、日本が欧米の利己主義や自由主義思想の導入にあたり、日
本と欧米との文化の違いの理解、消化が不足したまま、経済や情報等のグローバリゼー
ションが進む中でなかでの現象とも、また、先の大戦の敗戦による日本のアイデンティ
ティの崩れ去った事の経験が大きく影響しているようにもお聞きします。

  この事は我々日々の活動である家庭や仕事のうえで、ごく一般の人々の多くにも程度
の差こそあれ同様な事象が現れているのかな、と感じるこの頃です。

  偶然にも私共の製品である「かんぽくん」は地方から全国のお客様にソフトウエアと
いうサービスを提供する中で、この波乱の1990年から2000年の世紀末を日本の中心と思
われる行政や企業等の方々と関わらせていただく事となり、今年で十周年を迎えさせて
頂きます。

  私共にとっては未知のこの社会で、一般的に高いと評価される地位にある官僚や企業
人の一部の人々に、ルールを守ろうとして生活する一般の人間の市民感覚からは到底理
解できない社会的な不正、あるいは違法と思われる活動が当然のごとく行われているこ
とを目の当たりにすることになります。

  これら種の事の一部は報道などで国民に知らされている事であり、「報道は氷山の一
角」との話もよく耳にいたします。しかし、現実にこの場面に遭遇するとただただ驚愕
するばかりです。この社会をご存知の方々も、先の人々の地位や権力に接した時には黙
認するしか無い事は理解に難しくはありませんが、残念ながら彼らに迎合し自らだけは
得をする、というような事になり、次々と伝染性の病のごとく社会に蔓延してきている
ように思います。

  それらの一部の方々からの、それらの行為は「日本の過去からの慣習で何が悪い」、
というような言動からは開け直りさえも感じます。私には、この論に対抗できる経験は
持ち合せませんが、大戦前の経験ある複数のお年寄りからは現在の社会風潮は戦前の雰
囲気を思い出す、というお話も最近よくお聞きいたします。

  もしも、日本に国民の合意のうえで特権階級というものが存在するのであれば致し方
なし、とも考えますが、少なくとも日本国憲法を規範とする国家であれば現在の状況は
異常であると私は感じています。たぶん、多くの方もそうお感じでないかと思います。

  過去から地位や権力をもつ一部の方々の社会問題は存在したことは、程度の差こそあ
れ、想像に難しくなく、さらにこれからもこの種の人は存在し続けるかもしれません。
しかしながら、これらの不正をなくす努力がなければ更に社会が暗くなるばかりのよう
に思います。一部の特権意識を持つ方々には自ら浄化することはできないにしても、そ
の存在に対し公正な社会を求める人々が対峙する必要があるように思います。今は、そ
の社会の自浄作用が働く事をただ願うばかりです。

  最近、これからの日本の国のかたちを求める活動が司馬遼太郎氏の作品を始め、いろ
いろな方面で興りつつあるようです。

  現在進行する経済や情報のグローバリゼーションの波に飲まれて慌てることなく、日
本の文化の優れた特徴を生かして、我々が世界へ何が貢献できるのか。現在の暗闇の中
から光を見つけだし、一つの節目である次の世紀をすがすがしく迎えたい、そんな願い
を込めて「かんぽくん物語」ロゴを一新し、今世紀末の本年春から改めてかんぽくん物
語2000を書かせていただきたいと考えています。

  関係当事者の皆様のご投稿を頂ければ幸いです。