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From: Akitaka HOSOMI <hosomi@ga2.so-net.ne.jp>
Subject: 当世ドライバ事情( ドライバの役回り )
Date: 1999/06/15 03:30:09
Reference: junge/00275

特にドライバに限った話しではなく、ソフトウェア全般に言えることかも知れないが、
プログラムは、サービスとポリシーの板ばさみになってしまうことが多い。


ドライバのサービスは、必要とされる機構をアプリ側へ提供するものであり、ポリシ
ーはそれを制限するものである。これらは、互いに背反するものであるから、一般に
両者が並び立ったりはしない。

しかしながら、現実的には、この矛盾する両者をなんとか折り合いをつけて、実装せ
ねばならず、その場合には、これらの配分比率のさじ加減ぐらいしか、打つ手がない。

そのため、書いてるプログラムなり、対象とするシステムなりについて、サービスや
ポリシーを持ち込もうとする場合は、両者の側面から、いろいろと検討してみる必要
があり、ことさら一方の見方を強調するのは、適切な取り組みであるとは言えない。


このさじ加減は、極めて難しいものであり、もうプログラムを書き始めてかれこれに
なるが、未だに、きっぱりと割り切った答えを出せずにいる重要な命題となっている。
論理とか整合性とかに感受性の強いプログラマなら、必ず、自問自答を繰り返してい
るに違いない背反命題の筈だ。



さて、これについて、一つの解を与えるかも知れないキーワードに、

    ユーザにとって、何が一番良いこと( 最良の利益 )であるか?

という、価値判断の尺度がある。

プログラマが書いたコードが PC により実行され、その結果として生み出されるもの
は、最終的に、ユーザ側が受け取るべき利益となる。

そのため、適当な場の中だけで完結してしまうような特殊な価値観を用いて、ソフト
ウェアについてのサービスとポリシーのさじ加減を決定してしまうことは、プログラ
マとしては、厳に慎むべきことである。




プログラムを書く上での戒律とか教義なんてものは、もともと、あるはずも無いのだ
し、結局は、無理のない自然体で、柔軟で適応的な判断ができれば、それで宜しい。

自分で下した判断なら、その結果については、肩肘張らずに、素直に認められる筈な
のだが、どういうわけか、正当性という、お墨付きを欲しがる連中っているよね。

サービスとポリシーについては、もともと矛盾してるものを並び立たせよう、ってん
だから、あるわけ無いのにさ、一方だけの正当性なんてものは。