さて、ちと寄り道したが、話しを元に戻す。 これまでの例( 理論、技術、宗教 や 認証と狐 )で見たきたように、人は、 拠りしろを必要とする。 他人の権威に身を隠し、さらに、他から与えられたマニュアル通りにやっ ていれば、等身大の己を知られる心配はない。 しかしながら、これらは、言わば、自己の不安の裏返しであり、代償心理 に基づく すり替え に他ならない。つまりは、事業のための資本となるよ うな 拠り所 ではない。 人が行なうものは 事業 である。それは、不安の押売りのごとき 商売 で あってはならない。